脳梗塞 FAST 国立循環器病研究センター 戻る タイトル; 脳梗塞！ マヒの残る人と完治する人？ 平成２５年６月 作
脳梗塞！
マヒの残る人と完治する人？
脳の血管が詰まることで、半身マヒなどの重い後遺症が残ったり、命を落としたりすることもある脳梗塞。年間２０万人の発症が推定されているが、完治する人もいるという。 それは何故か。 実は脳梗塞には特効薬があった。その名は「t-PA」。これを使えば、脳の血管で詰まった血の固まりを溶かすことができるそうである。特効薬「t-PA」は、脳に詰まった血栓を溶かし、血流を復活させる効果がある。ところがこの特効薬のおかげで、多くの患者さんが救われていると思いきや、実際使えているのは発症者のうちわずか５％ほど。 「t-PA」は、脳梗塞を発症してから４時間半以内でないと使用することができない。何故なら血流が長く途絶えると血管が傷つき、そのタイミングで「t-PA」を使って血流を再開しても、傷ついたところからさらに出血するリスクが高まってしまうからだ。 ところで、人間には、「正常性バイアス」という特性があり、身の回りで起こるさまざまな危険をすべて気にしていたら暮らしていけないので、わざわざ危険に対する感度を下げる心の働きがある。何かおかしいと思っても、自分でたいしたことはないと調整してしまい、つい様子を見てしまって、対処が遅れてしまうのです。自分でいち早く気づくのは至難の技である。 さて、イギリスでは「FAST」という脳卒中対策キャンペーンがある。脳梗塞を発症したとき、身近にいる可能性の高い家族や友人をター ゲットに、脳梗塞の典型的症状を啓蒙することで、年間約2,000人だった「t-PA」の使用者数を、1万3,000人近くまで増やすことができたという。「FAST」は、顔のマヒ（Face）・腕のマヒ（Arm）・ろれつが回らない（Speech）といった典型的な症状をチェックするもの。まずはこの３つを覚えれば、８～９割の症状を早期発見できるという非常に効果的な方法である。 ①（Face）は、うまく笑顔が作れますか？ 顔の片方がゆがんでしまう。「イー」と言えなくなる場合は、マヒしていると考えられます。②（Arm）は、手のひらを上にして、両腕を前方に上げたままキープできますか？ 目をつぶると、マヒが出ている腕が少しずつ下がっていきます。③（Speech）は「ラリルレロ」、「パピプペポ」と言えますか？ 声に出してろれつが回るかどうかを確認します。 本人はたとえ異変の症状に気づいても、正常性バイアスが働いて見過ごしてしまうが、周囲の目がこの３つのテストにより、脳梗塞の早期発見を増やすのだ。脳梗塞をいち早く発見するには、普段そばにいる家族や友人などに気づいてもらうことが一番の方法である。 脳梗塞は発症後４時間半以内が勝負。 ①Face、②Arm、③Speechの３つの症状のうち、どれか一つでも当てはまった場合は、発症した時刻を確認し、すぐに１１９番を。そして救急隊員に、発症時刻を告げるのです。 あなたがあなたの大切な人を救い、あなたの大切な人があなたを救うのです！ 司法書士矢田良一 ℡ 0566－77－3882
脳の血管が詰まることで、半身マヒなどの重い後遺症が残ったり、命を落としたりすることもある脳梗塞。年間２０万人の発症が推定されているが、完治する人もいるという。
それは何故か。
実は脳梗塞には特効薬があった。その名は「t-PA」。これを使えば、脳の血管で詰まった血の固まりを溶かすことができるそうである。特効薬「t-PA」は、脳に詰まった血栓を溶かし、血流を復活させる効果がある。ところがこの特効薬のおかげで、多くの患者さんが救われていると思いきや、実際使えているのは発症者のうちわずか５％ほど。
「t-PA」は、脳梗塞を発症してから４時間半以内でないと使用することができない。何故なら血流が長く途絶えると血管が傷つき、そのタイミングで「t-PA」を使って血流を再開しても、傷ついたところからさらに出血するリスクが高まってしまうからだ。
ところで、人間には、「正常性バイアス」という特性があり、身の回りで起こるさまざまな危険をすべて気にしていたら暮らしていけないので、わざわざ危険に対する感度を下げる心の働きがある。何かおかしいと思っても、自分でたいしたことはないと調整してしまい、つい様子を見てしまって、対処が遅れてしまうのです。自分でいち早く気づくのは至難の技である。
さて、イギリスでは「FAST」という脳卒中対策キャンペーンがある。脳梗塞を発症したとき、身近にいる可能性の高い家族や友人をター
ゲットに、脳梗塞の典型的症状を啓蒙することで、年間約2,000人だった「t-PA」の使用者数を、1万3,000人近くまで増やすことができたという。「FAST」は、顔のマヒ（Face）・腕のマヒ（Arm）・ろれつが回らない（Speech）といった典型的な症状をチェックするもの。まずはこの３つを覚えれば、８～９割の症状を早期発見できるという非常に効果的な方法である。
①（Face）は、うまく笑顔が作れますか？ 顔の片方がゆがんでしまう。「イー」と言えなくなる場合は、マヒしていると考えられます。②（Arm）は、手のひらを上にして、両腕を前方に上げたままキープできますか？ 目をつぶると、マヒが出ている腕が少しずつ下がっていきます。③（Speech）は「ラリルレロ」、「パピプペポ」と言えますか？ 声に出してろれつが回るかどうかを確認します。
本人はたとえ異変の症状に気づいても、正常性バイアスが働いて見過ごしてしまうが、周囲の目がこの３つのテストにより、脳梗塞の早期発見を増やすのだ。脳梗塞をいち早く発見するには、普段そばにいる家族や友人などに気づいてもらうことが一番の方法である。
脳梗塞は発症後４時間半以内が勝負。
①Face、②Arm、③Speechの３つの症状のうち、どれか一つでも当てはまった場合は、発症した時刻を確認し、すぐに１１９番を。そして救急隊員に、発症時刻を告げるのです。
あなたがあなたの大切な人を救い、あなたの大切な人があなたを救うのです！
司法書士矢田良一 ℡ 0566－77－3882
