北穂高岳
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タイトル; 

チームジャパンの強さと その可能性! 

 平成24年8月 作 


数多くの熱戦の感動と失意の物語を生み出してロンドン五輪が閉幕した。一抹のさみしさと眠さからやっと解放されて、ほっとする気持ちとともに。 

金メダルの数こそ、多くはなかったが、チームジャパンの印象が強く記憶に残る大会だった。男女競泳のメドレーリレー、卓球の女子団体戦、女子バレーボール、バドミントンの女子ダブルス、そしてなでしこジャパンは、世界の強豪相手に堂々たる戦いをし、日本を元気づけた。深夜、ライブで応援している時のあの興奮は、アスリートと私が特別に懇意である訳ではないのに、やっぱり日本人の血なのか。 

チームジャパンの強さとは、何だろう。サッカーを例にとらえよう。欧米の大柄な強豪に対して、なでしこジャパンが何故、強かったか。近年世界のサッカーを凌駕するのはスペインのバルセロナで、パスをつなげるサッカーです。なでしこジャパンも同じです。なでしこは、一人ひとりの選手は小柄ですが、いつも最後まであきらめずにつながっている。お互いを高め合うチームワークや戦術が、個々人の総和を超える力になっているからこそ強かった。 

この仲間意識でつながる力の強みは、東日本大震災の困難の中、証明されたように、日本人の強さの証しでもあり、日本人が最も得意とするところである。しかし、それにも影の部分がある。強い絆とつながりは、時に個性を殺してしまう。日本人の古くからの欠点でもあり、強い個性の可能性の芽を摘み取ってしまう。  

そもそも、このつながる力と個の力は対立するものだろうか。明治大正昭和と、日本が発展途上である段階では、欧米をキャッチアップするために、一様につながる大きな力は限りなく発揮された。いま大国の仲間に入って、改めて「チームジャパン」の可能性を考えるとしたなら、成熟したその先の姿を考えるならば、このつながる力と個の力を対立ととらえずに、共存させなければならないだろう。個の力を大切にしながら、惜しみなくチームに貢献する日本人の姿を描けないだろうか。  

さて、足元に目を向けて、地元志向とか、地産地消といわれて久しい。ネットによる流通が幅を利かせ、益々ボーダーレスとなっている今、ここでも「チーム安城」という意識・つながりをもっと大切に育てていくことができないだろうか?  

   司法書士 矢田良一