法定後見
<法定後見制度は、本人の判断能力の程度によって後見、保佐、補助の3つに分かれます。> ・後見とは 後見とは、精神上の障害・重度の認知症などにより、判断能力を欠く状況にある人を ・保佐とは 保佐とは、精神上の障害により、判断能力が著しく不十分な状態ある人を対象にしています。 ・補助とは 補助とは、精神上の障害により判断能力が不十分な状態にある人を対象にしています。 ≪それぞれの違いは何?≫ 後見、保佐、補助の違いは、それぞれの支援者である後見人、保佐人、補助人の権限の |
法定後見の相談・申立から審判までの流れ
(保佐申立及び補助申立もこれに準じる)
1.第1回相談・打合せ
・3種の後見類型(後見・保佐・補助)の分類を特定 |
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・申立書作成から審判までの流れを説明 | |
・申立全般の費用について概算の説明 | |
・診断書の作成依頼 (見本)診断書作成依頼.pdf へのリンク 主治医の先生に「診断書」(家庭裁判所指定のもの)等を 作成してもらってください。 その際、家庭裁判所から「精神鑑定」の依頼があったら、 引き受けてもらえるかどうかを聞いておいてください |
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・本人に関する照会書と候補者に関する照会書の説明 | |
・申立に必要な添付書類の説明 |
2.申立書類
家庭裁判所へ提出する書類
・申立書・・・矢田事務所が作成 |
・診断書 診断書等は、主治医に記入してもらってください。 名古屋市愛護手帳(判定1度・2度)、愛知県療育手帳(判定A)の 交付を受けておられる本人の場合、手帳のコピーの提出があれば 診断書等の提出は不要です。 |
・本人に関する照会書 財産目録、本人収支表・親族同意書・親族関係図 |
・候補者に関する照会書 収入、財産状況を表わすもの |
3.添付書類
申立書に以下の書類を添付します
・申立人の戸籍謄本及び住民票の写し 申立人と本人との親族関係のわかる戸籍謄本 (除籍謄本・改製原戸籍謄本)を提出してもらう場合もあります。 |
・本人の戸籍謄本及び住民票の写しまたは戸籍の附票 住民票は本籍の記載のあるものが必要です。 |
・本人の登記されていないことの証明書 「登記されていないことの証明書」は、最寄りの法務局の本局で お取り寄せください。 「登記されていないことの証明申請書」に 記載された証明事項については、上から3番目である「成年被後 見人、被保佐人、被補助人、任意後見契約の本人とする記録が ない」にチェックしてください。 (見本)登記されていないことの証明申請書.pdf へのリンク |
・候補者の住民票の写しまたは戸籍の附票及び身分証明書 身分証明書は破産者等ではないことを証明する書類です。 本籍地の市区町村役場でお取り寄せください。 |
4.本人に関する照会書の完成
(第2回相談・打合せ)
1 | 本人は、今回の手続をすることを知っていますか。 |
2 | 本人は、これまで家庭裁判所の手続を利用したことがありますか。 |
3 | 本人の生活 (1)本人は、現在どこで生活していますか。 (2)本人の心身の状態(※ 該当の手帳、介護保険証のコピーを添付 してください) ア) 手帳交付の有無 イ) 要介護認定の有無 ウ) 日常生活動作について エ) 意思疎通や理解力について |
4 | 本人の略歴(最終学歴、主な職歴)と病歴(入院歴、主な病名) をわかる範囲で記載してください。 |
5 | 本人の親族の内訳 |
6 | 本人の財産について |
5.本人の財産についての資料完成
財産目録を作成するために、以下の書類をご準備ください
【財産目録】 (見本)財産目録.pdf へのリンク
不動産 (土地・建物) |
全部事項証明書(登記簿謄本)・・・法務局でお取り寄せください |
@固定資産税評価証明書・・・市役所税務課でお取り寄せください A固定資産税納税通知書の原本またはコピー (物件及び不動産評価額の記載のあるもの) @かAのどちらかをご準備ください |
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預貯金 | 預貯金の通帳・証書のコピー ◆過去一年分をコピーしてください |
有価証券 | 有価証券(株式、出資金、国債、社債、債券、投資信託等)のコピー、 または証券会社発行の取引残高証明書のコピー ◆有価証券については、表・裏全部をコピーしてください |
保険 | 各種保険契約の保険証券のコピー ◆表裏全部をコピーしてください |
負債 | 本人が債務者・連帯債務者・保証人・連帯保証人となっている負債 について、その具体的な内容を示す資料のコピー 例えば、金銭消費貸借契約書、住宅ローン契約書・保証書・ 返済計画一覧表などのコピー |
親族関係図は、本人の相続人となるべき方まで記載してください。 親族同意書は、可能な限り本人の相続人となるべき立場の方全員に書いてもらってください。 |
6.本人の収支についての資料作成
・年間収支表 (見本)年間収支表.pdf へのリンク
・本人収支表 (見本)本人収支表 月間.pdf へのリンク
本人収支表を作成するために、以下の資料をご準備ください
収入 | 年金・手当額通知書、賃貸借契約書、確定申告書、給与明細書、 配当金支払明細書等のコピー その他、本人の収入を示す資料のコピー |
支出 | 医療費や施設費の領収書、税金・社会保険の通知書(納付指示書)、 請求書等のコピー その他、本人に関する支出を示す資料のコピー 従前から金銭出納帳又は家計簿等をつけている場合には、 金銭出納帳、家計簿等のコピーも提出してください。 |
7.候補者に関する照会書完成
<候補者に関する照会書の内容>
1 | 本人と日常の交流状況(面会、介護、援助、事務等) |
2 | 候補者となった理由 |
3 | 候補者の現在の生活状況・健康状態など (1)住所及び連絡先の電話番号 (2)職業(職種、勤務先、勤務先での役職など) (3)候補者の家族(同居している方のみ) (4)候補者の最近の健康状態 (5)候補者の経歴(最終学歴・主要な職歴)について |
4 | 候補者の収入、財産状況 (1)収入(税込) (2)所有する財産 (3)負債(借金) (4)本人との金銭の貸し借り、担保提供、保証関係、精算を要する立替など ◆収入、負債、保証債務については裏付けとなる資料(源泉徴収票、確定申告書、 借用証書、住宅ローンの返済予定表、保証契約書など)のコピーを付けてください。 |
5 | 本人の財産状況と身上監護状況に対する今後の方針、計画 |
8.申立書の提出
矢田事務所が家庭裁判所へ提出します。 審問期日が決定し次第、お知らせします。 |
9.調査官の審問(面接)に備えて
(第3回相談・打合せ)
申立人及び候補者並びに矢田事務所との最終打合せです。 後見人としての業務全般を、テキストを使用して説明します。 |
10.家庭裁判所の審理
調査官の調査 | 調査官による関係者からの事情聴取 特別な事情により追加で提出を求められる資料が発生 する場合にはお知らせします。 |
審問と立会 | 指定された審問期日に、調査官の審問があります。 必要な場合は、司法書士矢田良一が立ち会います。 |
鑑定 | どの程度能力が衰えているか精神鑑定。 ただし、本人が植物状態などの場合は、鑑定が省略される こともあります。 |
11.後見開始の審判(決定)と告知(通知)
郵送で、審判が告知(通知)されます。 審判に不服な場合は、通知書を受領して2週間以内に不服申立ができます。 通知書を受け取った場合には、直ちに矢田事務所へご連絡ください。 |
12.確定と登記(家裁から東京法務局への登記嘱託)
そして登記番号の通知
一定の期間内に不服の申立てがない場合は、 家庭裁判所から東京法務局へ後見開始の登記の嘱託があります。 後見開始の登記が完了した場合には、家庭裁判所から登記番号の通知があります。 |
13.後見登記事項証明書(代理人の証明書)の請求
矢田事務所が後見登記事項証明書を必要な枚数請求します。 (見本)成年後見登記事項証明申請書.pdf へのリンク |
14.再度財産目録と後見予定収支書の提出
後見開始時を基準に、1ケ月を目安に、再度財産目録と後見予定収支書を提出する。 |
15.費用
収入印紙 |
800円×(1〜3)組 保佐開始又は補助開始の申立ての際、同意権付与・代理権付与の申立てを 同時に行う場合には、各付与の申立てにつき800円追加 (例)補助開始、同意権付与、代理権付与の申立ての場合・・・ 800円×3組=2400円 |
登記印紙 |
4000円 審判確定後の登記嘱託費用となります |
郵便切手 |
350円×3枚 80円×15枚 10円×5枚 1040円×(1〜2)組 後見開始の場合は1組、保佐又は補助開始の場合は2組 審判中の通信費用となります。不足の場合、追加をお願いすることがあります。 |
現金 |
5万円程度 後見開始、保佐開始の審判をするうえで必要となる鑑定手続費用の一部と なります。 鑑定金額は、事案により更に高額(又は低額)になる場合があります。 あらかじめご了承ください。 |